レーシックの後遺症や合併症はどのような可能性がありますか？

レーシックの手術後にはドライアイになると聞いたことがあります。レーシックの手術をうけることで術後になにか症状がでたり、新たな目の病気になることはないのでしょうか？

レーシックは手軽に受けることができるものですが、やはり、れっきとした手術です。

それも、目の角膜という、非常にデリケートな部分を手術するわけです。ですから、レーシックの後遺症や合併症について、不安に思われる方も多いようですし、また、それが当たり前だとも思います。

そこで、ここでは、レーシック手術後に起こる可能性のある症状について、いくつかご紹介しておきたいと思います。

なお、念のため申し上げておきますが、レーシックの失敗によって失明するという症例は、現在までのところ、確認されておりません。

目に関わることですので、いちばんの不安は「もし目が見えなくなったらどうしよう？」ということだと思うのですが、そのような例は日本でもアメリカでも、これまで一件も確認されておりませんので、その点についてはご安心いただければと思います。

【ドライアイ】

レーシックの後遺症として、いちばん多くの人が経験するのが、このドライアイです。 涙が流れにくくなってしまって、目が乾いてしまうというのが、その原因です。

これは、レーシック手術が、必然的に涙腺にも影響を及ぼしてしまうためなのですが、永久に続くことはごくまれで、たいていの方は、しばらくすれば回復して、何の支障もなくなります。

なお、回復するまでの間は、お医者さんの方から、目の乾き防止用の目薬が出ますので、それを使って目の乾きを防止することになります。

【ハロ・グレア】

ハロ・グレアとは、光や光るものを見たときに、それがぼやけて見えたり、とてもまぶしく感じられたりすることです。 ぼやけ方としては、冬などに、くもったガラス越しに見た光がぼやけて見えるような、あんなぼやけ方を想像していただければいいでしょう。

また、まぶしく感じられる感じ方に関して言えば、日常のなんでもない程度の明るさの光――室内照明ですとか――すらも、まぶしくて目をまともに開けていられない、なんてケースも、時々、あります（もちろん、個人差はあります）。

ちなみに、前者がハロ（またはハロー）、後者がグレアといいます。つまり、もともとは別々の症状ですが、ともに光や光るものの見え方に関わることのため、一緒にとりあげられることが多いのです。

ただ、人によってはまったくならない場合もありますし、なった場合でも、ちゃんとした手術を受けていれば、時間の経過と共に回復していって、何の問題もなくなるのが普通です。

【過矯正】

これはレーシックの後遺症といっていいのか分かりませんが、過矯正についてもご説明しておきましょう。 過矯正とは、読んで字のごとく、過剰に矯正されてしまった場合のことを言います。

たとえば、近視の反対側は遠視ですよね？ですから、レーシックで近視を矯正するということは、手術前の状態よりも遠視側に視力を矯正するということです。

その矯正具合がちょうどよければ、手術は成功ということになります。でも矯正の度合いが、ちょうどいいところから、ちょっと遠視側まで行き過ぎてしまうと、過矯正となって不具合を生じるというわけです。

ただこれは、一概に手術の失敗と決め付けるわけにはいかない面もあります。人間の目というのは、どうしても個人差がありますので、標準的なやり方をしても、影響が大きく出過ぎたりする場合があるのです。

また、レーシック後のしばらくの期間は、まだ状態が安定していませんので、その影響で一時的に過矯正の状態になる人もいます。

この場合には、時間の経過と共に、症状は薄らいで行き、何の問題もなくなることも、まれではありません。

ただし、本当に過矯正になってしまって、時間が経過しても改善されない場合には、再手術等のしかるべき措置をとることも考えねばなりません。